
インターネットが急速に普及したおかげで、世界中のさまざまな美術館や研究機関などが保有する作品を、デジタル・アーカイブ化しパブリックドメインとして無料公開する動きが活発になっています。
今回は、100年以上前に描かれた水彩イラスト7,500枚以上をパブリックドメインとして公開しているデジタルコレクション USDA Pomological Watercolors をご紹介します。どれも高解像度で無料ダウンロードでき、商用利用にかかわらず自由にデザイン制作に活用できます。
デジタルコレクション USDA Pomological Watercolors とは?
USDAとは、United States Department of Agricultureの略称で、米国農務省のこと。日本で言えば、農林水産省にあたるアメリカの政府機関です。そんなUSDAは写真が主流となる前、1886年から1942年にかけてアメリカ全土で育てられているすべての果物やフルーツを一覧データベース化するプロジェクトを行っていました。
その期間に65人のアメリカ人アーティストが雇われ、アメリカ国内で栽培されていた数千を超える固有種などのイヤールーム品種の果物が、水彩イラストで描かれました。その数、なんと7,500枚。
それらの手描き水彩イラストをデジタル・アーカイブとしてオンライン上で公開、高解像度の画像をパブリックドメインとして無料ダウンロードできるサービスが USDA Polomogical Watercolors です。
画像のダウンロード方法について
すべてのダウンロードは、こちらのページから行うことができます。アーティスト別や描かれた年代別、学術名、生産国の他に、りんご(英: Apples)や桃(英: Peaches)、梨(英: Pears)など人気キーワード別に検索することもできます。
このコレクションには、りんごのイラストが3,800枚以上収録されているそうなので、試しに「Apple」で検索してみます。さまざまなアーティストが手書きした、美しいりんごのイラストがずらずらと表示されます。
お気に入りのイラストを見つけたら、右側にある「Download high-resolution」ボタンをクリックすることで、無料ダウンロードが可能となっています。
ではコレクションされている一部の作品を見ていきましょう。どれもアーティストの職人技が光るリアルなイラストで描かれています。100年以上前に描かれた、と言われても信じられないほど。
このコレクション誕生のきっかけは、ある一人のアメリカ人フリーランサーが行った、「1ヶ月間毎日ひとつクールなパブリックドメインを見つける」というプロジェクトから生まれました。そのときに派生として作られたTwitterボットでは、3時間おきにコレクションから一枚のイラストを自動投稿してくれます。
feher szagos grapes, painted by ellen isham schutt, 1911 pic.twitter.com/pfXJIkCGgL
— old fruit pictures (@pomological) July 1, 2019
デザインのアイデア出しに困ったときの参考にしてみてはいかがでしょう。