
2017年、早くも2週間が過ぎたことで、さまざまなデザインブログで今年のWebデザイントレンドが予想され、公開されています。
今回は、海外のデザインブログで公開された、2017年のデザイントレンドの中から、特に気になる記事をピックアップしてご紹介します。ウェブデザイン制作に関わる業種はもちろん、これからWebサイトを作成しようと検討している方も一度目を通しておくと良いでしょう。各ブログが共通して予想しているトレンドも多く、2017年が楽しみな内容となっています。
コンテンツ目次
- 1. 2017年のWebデザイン制作で注意しておきたい10のコト from CreativeMarket
- 2. 2017年におけるWeb制作業界全体の流れ from SitePoint
- 3. 2017年に実際に起こるであろう、7つのデザイン予想まとめ from Webdesigner Depot
- 4. 2017年にもっとも熱いウェブデザイントレンド10個まとめ from Wpmudev
- 5. 2017年に注意しておきたいウェブデザイントレンド17個まとめ from Shopify
2017年のWebデザイン制作で注意しておきたい10のコト
高品質でセンスの高いデザイン素材の販売を行っている Creative Market。今まで以上のデザイナーの役割が重要になってくると予想しています。
10 Web Design Trends You Need to Be Aware of in 2017
- ビデオ動画がもっと使われるようになる。
よりフルスクリーンで展開するビデオ動画によるコンテンツ・マーケティングが行われるようになるでしょう。Googleは、2017年におけるすべてのWebトラフィックの74%がビデオからになると予想しています。 - 一歩進んだモバイル・ファーストの考え方。
単にモバイル端末にコンテンツ表示を合わせるのではなく、よりモバイル端末での操作性や見せ方を考えたデザイン戦略を考えましょう。 - 雑誌をモチーフにしたタイポグラフィー書体の人気。
パッケージデザインや街角のグラフィックなどから派生したデザイントレンド。ウェブフォントを利用することで、より手軽に実現できるようになりました。 - たっぷりな余白スペースを使うようになる。
コンテンツ周りの余白スペースを、より十分取るようになるでしょう。画像イメージだけでなく、文字テキスト周りにも適度な空白を保ちましょう。特にデスクトップなど大画面でのサイト閲覧に効果的。 - GIFアニメーションがより使用されるようになる。
- 画像イメージを活用したナビメニューが増える。
ユーザーがなぜサイトを訪れ、何を探していて、どんなユーザー層が閲覧しているのか考えることで、より論理的にコンテンツを整理することができるでしょう。
- 美しいイメージ画像がより重要になる。
プロダクト商品だけを見せるのではなく、ナチュラルなライティングや美しい風景など、商品をあたかも利用しているような、新しいデザインの魅せ方がより大切になってくるでしょう。
- 鮮やかな配色パレットが人気になる。
情報コンテンツの集まったサイトでは、ユーザーの注目をうまく集め、目的のコンテンツまで誘導し、快適なウェブ体験を実現することが重要になるでしょう。
- 2色使いのデュオトーンがさらに人気になる。
昨年、斬新されたInstagramロゴにも見られるグラフィックデザイン・トレンドで、ブランドイメージとしてだけでなく、写真イメージなどに重ねて利用し、ビジュアル的なインパクトとしても◎。
- サイト読み込み速度が向上する。
技術的にさまざまなコトが可能になった今、機能を詰め込み過ぎてページの読み込み速度を低下させてしまう問題。本当に必要な素材だけを利用するように心がけましょう。
2017年におけるWeb制作業界全体の流れ
毎年、デザイントレンドの予想と結果を公開している SitePoint による2017年版の大予想。
- モバイルユーザーがますます増える。
2016年12月、世界中のモバイルユーザーとデスクトップユーザーの比率が50:50になりました。この流れは止まることなく、より多くのユーザーがモバイル端末よりサイトを閲覧するようになるでしょう。
- モバイル・ファーストがモバイル・オンリーの考え方に。
レスポンシブデザインによる対応だけでなく、モバイル端末のみに特化した機能やレイアウトなどを検討しましょう。シンプル、簡潔にコンテンツを整理することで、より良いユーザーエクスペリエンスにもつながります。
- グリッドレイアウトが利用される。
- プログレッシブ ウェブアプリによる制作が普及する。
ウェブとアプリの両方の利点を兼ね備えたプログレッシブ・ウェブアプリを利用することで、PCやモバイルなどに関係なく、自由にアプリ感覚で利用できます。利用メリットも多く、今後必要とされるケースも増えてくる分野のひとつ。
- ネイティブ・アプリの凋落。
先述のプログレッシブ・ウェブアプリの普及によって、Apple や Google Play などに頼らない独自のアプリ開発が進むでしょう。
- VR技術がニッチなテクノロジーに。
Sony Playstation など専用機器も登場しだしたVRの技術は、ますます進化を続けるでしょう。VR体験をウェブサイトで実現するJavaScriptプラグイン、WebVRも活用してみましょう。
- 拡張現実(AR)による快適な体験が増える。
昨年の世界的ブームPokemon Go にはじまり、走っている車の状況をリアルタイムで把握、投影するモニターパネルなど、より未来的な拡張現実による体験が増えるでしょう。
- ブラウザ環境はあまり変わらない。
- ワイヤーフレームに変わるツールが利用されはじめる。
2015年には Angular が話題となり、2016年には React にとって代わり、2017年は Vue.js や Svelte などが利用されるようになるでしょう。
- 暗号化による新しい広告ブロッグ技術が登場する。
2017年に実際に起こるであろう、7つのデザイン予想まとめ
人気老舗デザインブログ Webdesigner Depot がポストした、2017年のデザイントレンド予想。他のサイトとは違う切り口から見た、ユーモアたっぷりでお届けする注目記事のひとつ。
7 design predictions for 2017, that might actually happen
- 2017年はVRの年にはならない。
スマートフォンなどに比べ安価に販売されているVR用ヘッドセットですが、VR成長の妨げになっているのが、わたしたちの「めんどくさい」という気持ち。ピザを注文するのにわざわざヘッドセットを着用したいと考える人は少ないでしょう。カジュアルで、より手軽に利用できるように。
- パスワードを覚えておく必要がなくなる。
パスワード入力に変わって、指紋認証を利用したウェブサイトやアプリなどが増えるでしょう。
- 人工知能(AI)によるデザイン制作が可能になる。
パターン化されたデザイ要素を使い、A/Bテストを進めていくことで、最終的にAIによって最適なデザインパターンが導かれる用になるでしょう。デザイナーが不要になるというわけでなく、パターン導入の仕方が鍵となってくるでしょう。
- Webサイトとオンライン広告の終わり
各ページごとではなく、コンポーネントベースのシステムとしてのサイト設計が、長年にわたり一般的なアプローチでした。2017年には、サイトからコンポーネントを切り離し、異なるWebサイトではなくブランドとしてコンテンツを配信するサイトやアプリが増えるでしょう。このモデルの副作用が、オンライン広告ビジネスに打撃を与えるかもしれません。
- ウェブサイトは、もっと美しくなる。
2016年まで「楽しい」デザインへの関心が高まっています。デザイナーはよりクリエイティブでユニークなビジョンを表現する必要があるでしょう。
- たくさんのデザインツールが公開される。
少なくとも、今年はアプリ内ツールが劇的に進化するでしょう。 Adobeは、Creative CloudへのAI追加に取り組んでいると言われています。ユーザーの用途にあったツールを、より安価に利用できるようになるでしょう。
- VXに注目が集まる。
“Virtual Experience”の略で新しい言葉でもあるVX。今年はプロフィール欄に「VXデザイナー」と記入するデザイナーが増えるでしょう。先日行われたAdobe Maxでは、「VXデザイナー」をターゲットにしたCreative Cloudのスペシャリストバージョンを発表する予定があると伝えられています。
2017年にもっとも熱いウェブデザイントレンド10個まとめ
移り変わりの早いウェブデザインの世界において、2017年特に注目しておきたいデザイントレンドをまとめ、よりデザインを重視した内容。
10 Hottest Web Design Trends You Gotta Know for 2017
- 配色について
Pantone社が発表した2017年の流行カラー「Greenery」やマテリアルデザイン、デュオトーンなど鮮やかな配色に注目が集まっています。
- モダンレトロ・デザイン
80年、90年代に影響を受けたピクセルアートの他、ビンテージデザインにアニメーションを加えることで、モダンで洗練された魅せ方などが人気となるでしょう。
- シネマグラフ
まるで写真が動き出したような、不思議な感覚を表現できる「シネマグラフ」。ウェブデザイン制作においても、より積極的に活用されていくでしょう。
- マテリアルデザイン対応のデザイン
2015年にGoogleより発表されたデザインガイドで、2017年はこのコンセプトを取り入れたウェブサイトやアプリレイアウトが、Twitter Bootstrap 同様により増えてくるでしょう。 - 巨大でクリエイティブな書体
より大きく表示されたタイポグラフィーは、ウェブフォントのおかげでより面白い、クリエイティブな作品がたくさん登場するでしょう。またビデオ動画や画像イメージと組み合わせることで、新しいデザインの魅せ方を提案できます。
- モジュール式レイアウトの普及。
これまでも多くの利用され、目新しいトレンドではありませんが、ブロック型レイアウトを利用することで、コンテンツを明確に区別する手助けとなるでしょう。 - SVG要素の増加。
あらゆるスクリーンサイズでもくっきり表示することができるSVGは、ロゴやイラストなどに利用すると効果的。モバイルユーザーが増えているいま、ますます利用する機会も増えるでしょう。 - Flexboxの普及。
モダンブラウザに対応したことで、これまで面倒だったCSSレイアウトも、Flexboxを利用することでより手軽に実現できるようになってきています。 - 360度方向ビデオ動画 と VR
2016年にかけてさまざまな企業からVR関連商品が発売されたことで、多くのデザイナーがこの技術を利用したインタクラティブなサイト制作に挑戦するようになるでしょう。Google VR Viewを活用するのも手。 - マイクロインタラクションの利用
マイクロインタラクションとは、ユーザーがウェブサイトとやりとりしているあいだの、特定の瞬間を表します。ウェブサイト自体に直接必要というわけでなく、ページの読み込みや送信ボタンの確認など、いま何が起こっているのかユーザーに伝えることが重要となるでしょう。
2017年に注意しておきたいウェブデザイントレンド17個まとめ
世界最大のEC作成プラットフォーム Shopify が予想するデザイントレンドのまとめ。サイトとユーザーの関わり合いかたに着目し、より快適なウェブ体験を表現できるトレンドやテクニックが中心となっています。
17 Web Design Trends To Watch in 2017
- 会話を主体としたユーザーインターフェースの増加。
2017年はチャットボットなど、会話を主体としたUIが増えてくるでしょう。お問い合わせフォームをチャットボット化するプラグインなども公開されはじめています。 - 自動学習機能の普及。
人工知能を利用することで、これまで問題だった解決案をこれまでの失敗をもとに、学習していく技術が進むでしょう。 - 感情を反映したデザイン
体験から考えられるポジティブな感情よりも、中毒になりそうな感覚を指し、よりクリックしたくなる工夫が必要に。 - VRの普及。
仮想現実VRの世界は、2017に一気に進歩するでしょう。通常のサイトデザインに比べ、より複雑かつより理解しやすいUIデザインの作成が鍵となります。 - ロケーションや目的にあった情報の提供。
- マイクロインタラクション
レイアウト重視のモバイルファーストから、よりなめらかなアニメーションを加えたマイクロインタラクションが、モバイル端末を中心により人気となるでしょう。
- 鮮やかな配色
よりファンキーで発色の良い配色が人気となるでしょう。ユーザーやターゲット層を念頭に入れて配色を選ぶと良いでしょう。
- 統一感のあるウェブ体験
デスクトップにはじまり、スマートフォンや時計、タブレットなどさまざまな端末において、統一感のある表現が重要になってくるでしょう。 - JavaScriptがますます人気に。
2016年は多くのJavaScriptプラグインが登場しましたが、ますますその流れは勢いを増し、より多くのユーザーが利用すると予想されています。 - ユーザーのニーズに合ったデザイン。
現在位置や環境などを考慮した、ユーザーに沿ったコンテンツの表示。 - デザインスプリントの考え方。
プロダクトデザインで話題となっている手法のひとつで、短い期間で検証したいアイデアを具体化し、必要最小限のプロトタイプを用いて、実際のユーザーに対して価値の検証を実施するプロセスの考え方。 - よりベターなデザイナーとデベロッパーの関係。
InVision や WebFlow などのプロトタイプツールのおかげで、デザイナーやデベロッパーの考えをうまく理解できるようになり、開発スピードが格段に早くなるでしょう。 - デザインサービスとUXの融合。
これまでは別々の分野と考えられていたものが、デジタル販売が進んだことでより重要になってくるでしょう。 - Google と Facebook で目的のコンテンツを見つける。
GoogleのAMPやFacebookのInstant Articlesが普及することで、ページ読み込み速度とミニマルなUIデザインでコンテンツが消費されるようになるでしょう。
- 信頼がもっとも大事。
- サイバー攻撃がますます増える。
2016年に起こった大規模なDDoS攻撃が、インターネットの核となるサービスで起こるようになるでしょう。
- デザインの多様性。
さまざまな肌の色に対応した、Unicodeの絵文字デザインなどあらゆる人種や文化を包括した、多様性のあるデザインが普及するでしょう。
より詳しい2017年のデザイントレンドに関しては、以下のエントリーも参考にしてみてはいかがでしょう。