
新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で広がる中、日本でも外出自粛や臨時休校措置が続いています。
外出を控えていて、自宅で過ごす時間が増えたことで、どう過ごしたらいいのか戸惑いを感じている人も多いと思います。
そんなときにおすすめしたいのが、世界中のアート作品や写真、美術品を楽しめるデジタル美術館 Google Arts & Cultureです。
今回は、Google Arts & Cultureで公開されている、今すぐ訪れることができる20の世界有数の美術館や博物館を日本国内編、海外編に分けてご紹介します。
Google Arts & Cultureって何?
https://artsandculture.google.com/
Google Arts & Culture とは、2,500を超える世界有数の美術館や博物館、ギャラリーが参加しており、館内のバーチャルリアリティツアーや所有する美術品のオンラインコレクションを、高画質で鑑賞できるオンラインサービスです。
世界中の芸術作品をキーワード検索できるのはもちろん、作品に使われている色や素材、技法、歴史上の出来事などからも検索できます。
また、Googleマップのストリートビュー機能を活用した、美術館や博物館内のバーチャルリアリティツアーができたり、醍醐寺やヨセミテ国立公園といった、自然の中にある作品も立体的に見ることができ、まるでその場所を実際に訪れているような体験ができるのも魅力です。
Google Art & Cutlrueの検索方法はさまざま
膨大な数の美術コレクションを公開しているGoogle Arts & Cultureは、さまざまな検索方法が用意されており、お気に入りの一枚を探すことができます。
■ キーワード検索
まずは、基本となる「キーワード検索」です。画面右上にある虫めがねアイコンをクリックし、探しているキーワードを入力しましょう。ここでは、「葛飾北斎」で検索してみました。
葛飾北斎の作品一覧がずらりと表示されました。作品はもちろん、アーティストの経歴などの詳しい説明も書かれており、作品の理解をより深めてくれます。
■ 素材や技法で検索
次に、左上にあるハンバーガーアイコンをクリックし、「素材と技法」を選択しましょう。
紙やインク、水彩はもちろん、布や木材、ペン、写真、彫刻、ガラス、土器などカテゴリごとに絞って作品を観ることができます。
■ 色で検索
もうひとつのユニークな検索が、「色」をつかった方法です。作品の基調色に基づいて探すことができる機能。
■ 時系列での検索
この検索機能は、有名アーティストの作品を作成された時期に基づいて探すことができます。
その時系列は、紀元前8000年前から現在までとなっており、スライダーを動かすだけのお手軽操作もポイント。
葛飾北斎は875点、モネも217点など、膨大な量の作品をまとめて閲覧することができます。
アーティスト作品の時系列による検索
https://artsandculture.google.com/category/artist?tab=time
アート作品の拡大ズーム機能を活用しよう
美術館で作品をできるだけ近くで見たいと思っても、人混みが多くて遠目でしか鑑賞できなかったり、近づける距離が決まっていたり、ガラスケースに入って厳重な保管がされているなど、なかなか作品の詳細を見ることは難しいでしょう。
しかし、Google Arts & Cultureでは、作品を最大100%まで拡大ズームでき、細かいディテールまでくまなく見ることができます。
ここでは、アメリカのニューヨークにある「メトロポリタン美術館」に所蔵されている「冨嶽三十六景」のひとつ、「東海道金谷の不二」を見てみます。
筆の動きまで見事に観察することができ、描かれている人ひとりひとりの表情まで、詳しく見ることができます。
Googleストリートビューをつかった有名な美術館や世界遺跡のバーチャルツアー
Google Arts & Cultureでは、Googleマップのストリートビュー機能を使って、美術館の館内や世界的な遺産なども見ることができます。
現在4,522件のGoogleストリートビューが公開されており、マチュピチュやストーンヘンジといったなかなか行くことのできない世界遺産から、京都の清水寺や手塚治虫記念館など、日本国内にも対応しています。
Google Arts & Culture|ストリートビュー
https://artsandculture.google.com/category/artist?tab=time
GPS機能で近隣の美術館や博物館をチェック
Google Arts & Cultureでは、GPS機能をつかった現在地から近い美術館や博物館もGoogleマップ上で確認することができます。
自宅や職場といった普段生活している場所の近くを探しても良いですし、旅行先でも役立つ機能と言えるでしょう。
Google Arts & Culture|現在地周辺
https://artsandculture.google.com/nearby
ブラウザのタブを開くたびに名画を鑑賞できるChrome拡張プラグイン
ブラウザChromeの新しいタブを開くたびに、Google Arts & Cultureの傑作を鑑賞できるユニークな拡張機能プラグイン。アート好きにはたまらない機能と言えるでしょう。
Chrome拡張プラグイン「Google Arts & Culture」
https://chrome.google.com/webstore/detail/google-arts-culture/akimgimeeoiognljlfchpbkpfbmeapkh
一度は訪れたい世界の有名美術館、博物館まとめ
Google Arts & Cultureのコレクションには、ロンドンのテート現代美術館や大英博物館、アムステルダムのゴッホ美術館とアムステルダム国立美術館、ニューヨークの近代美術館やホイットニー美術館など、世界最大クラスの美術館も多数参加しています。
多くの場合、展示されているすべての作品をオンラインで閲覧できます。また、Googleストリートビューを使用することで、館内を歩き回るバーチャルツアーも開催されています。
今回は、今すぐ訪れることができる12の有名美術館や博物館をまとめてご紹介します。
■ ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ、ニューヨーク)
ニューヨークのマンハッタンにある、近現代美術専門の美術館。Storylines: Contemporary Art at the Guggenheimでは、絵画や写真、彫刻、ビデオ、パフォーマンス100点以上を通して、アーティストが作品に取り組む姿勢を公開しています。また館内のバーチャルツアーも実施されています。
■ 大英博物館(イギリス、ロンドン)
博物館の内部を見学したり、古代のロゼッタストーンを観ることができます。
■ オルセー美術館(フランス、パリ)
ここでは、モネやセザンヌ、ゴーギャンの他、何百ものフランス画家の作品をまとめて鑑賞することができます。
■ アムステルダム国立美術館(オランダ、アムステルダム)
フェルメール、レンブラント、そしてオランダ黄金時代の多くの巨匠の作品を、バーチャルツアーで歩きながら鑑賞できます。リンクはここからどうぞ。
■ ペルガモン博物館(ドイツ、ベルリン)
ドイツ最大の博物館のひとつ、ペルガモン博物館は、バビロンのイシュタル門とギリシャのペルガモン祭壇など、ドイツならではの作品をこちらから閲覧できます。
■ 国立近現代美術館(韓国、ソウル)
韓国を代表する有名な現代美術をこちらからまとめて鑑賞できます。
■ ワシントン・ナショナル・ギャラリー(アメリカ、ワシントンD.C.)
1740年のアメリカ建国前から、1895年までのアメリカを代表するファッションの展示や、フェルメールの絵画コレクションも人気。リンクはこちらからどうぞ。
■ ゴッホ美術館(オランダ、アムステルダム)
世界最大級のゴッホの作品コレクションを展示しており、200を超える絵画や、500以上の図面スケッチ、750を超える個人的な手紙なども公開されています。
■ ルーブル美術館(フランス、パリ)
世界的に有名なフランスのルーブル美術館は、Googleではなく、独自のバーチャルリアリティツアーが開催されています。この機会にいかがでしょう。
■ サンパウロ美術館(ブラジル、サンパウロ)
MASP(マスピ)という愛称で親しまれている、ブラジルで初となる近代美術館。南半球屈指のコレクション数をこちらから鑑賞できます。
■ J・ポール・ゲティ美術館(アメリカ、ロサンゼルス)
世界中から集められた貴重な作品を数多く展示している美術館のひとつ。ヨーロッパの絵画や彫刻の他に、アジアやアメリカ、ヨーロッパなどで撮影された、歴史的価値の高い写真なども数多く公開されています。リンクはこちらからどうぞ。
■ ウフィツィ美術館(イタリア、フィレンツェ)
ルネサンス絵画で有名な美術館。1591年より部分的に公開されており、近代式の美術館としてヨーロッパ最古のもののひとつ。また、イタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最大となります。リンクはこちらからどうぞ。
日本の美術館も続々追加中!訪れたい国内の美術館、博物館まとめ
日本からも97の美術館や博物館がコレクションをオンライン展示、公開しています。
ここでは、Google Arts & Cultureに参加しており、特におすすめしたい日本全国の美術館、博物館をまとめています。人生に一度は見ておきたい、そんな思いにさせる素晴らしい作品が揃います。
■ 東京国立近代美術館(東京、千代田区)
日本で最初の国立美術館として、1952年に開館。横山大観や、菱田春草らの重要文化財を含む、13,000点を超える国内最大級のコレクションを所蔵。明治から現代までの幅広い近現代美術作品を数多く展示しています。
■ 国立西洋美術館(東京、台東区)
2016年に世界遺産登録された、1959年開館の美術館。クロード・モネの「睡蓮」やオーギュスト・ロダンの「考える人」など、誰もが一度は見たことのある有名な作品が数多くあります。建物は、20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエが設計。リンクはこちらからどうぞ。
■ MOA美術館(静岡、熱海市)
岡田茂吉氏のコレクションを中心に、尾形光琳筆「紅白梅図屏風」などの国宝をはじめ、東洋美術に関する絵画や工芸など約3500点を所蔵。リンクはこちらからどうぞ。
■ 佐川美術館(滋賀、守山市)
琵琶湖をのぞむ美しい自然と共にある美術館。日本を代表する芸術家、平山郁夫氏(日本画)、佐藤忠良氏(ブロンズ彫刻)、十五代樂吉左衞門氏(陶芸)の作品を中心に展示しています。リンクはこちらからどうぞ。
■ 足立美術館(島根、安来市)
現代の日本がや陶芸など1500点以上の作品がコレクションされており、特に横山大観の作品は質・量ともに充実しています。5万坪に及ぶ日本庭園も大きな見どころ。
■ 広島平和記念館(広島、広島市)
原爆投下による被災者の遺物や写真、その事件の恐怖を伝える資料などを収集、展示しています。さらに、原爆前後の広島や核時代の現状を説明した資料も。リンクはこちらからどうぞ。
■ 大原美術館(岡山、倉敷市)
1930年に設立された、日本最古の私立美術館で、開館当時の建物がいまも残ります。画家・児島虎次郎は、日本に西洋美術を広めるため、当時人気のあったモネやエルグレコといった画家の作品を、ヨーロッパまで足を運び、直に買い付けを行っていたそう。リンクはこちらからどうぞ。
■ 福岡アジア美術館(福岡、福岡市)
アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する、世界に唯一の美術館です。広範囲で質の高いアジアの近現代美術作品の展示は、世界のどの美術館とも異なる独自性と魅力を持っています。リンクはこちらからどうぞ。
世界の名画550万枚を無料ダウンロードできる美術館サイトまとめ
世界の名画を無料ダウンロードできる美術館サイトをまとめてご紹介します。著作権の消滅したパブリックドメインの作品が中心なので、クレジット表記なしで無料ダウンロード、二次創作での利用が可能です。
紹介しているサイトの公開されている作品をすべて合わせると、合計550万枚近くの貴重な資料や作品を網羅しています。こちらも一緒に確認してみてはいかがでしょう。
参照元リンク : Google Arts & Culture